実験報告書の書き方 〜私見〜

報告書の書き方は組織により様々であり、一般的な書式は無いに等しい。 そのため、報告書作成に必要以上に手間取る人もすくないのではないかと思う。

ここでは、実験報告書と限定して、私見ながら、『書式見本』として例示したい。

私にとって実験報告書を作成することは、単なる作業であり、データ量によりページ数が多いか少ないかで時間は変わってくるが、作成作業自体に困ることは滅多にない。それは、報告書作成とは形式的な作業であるからである。

私の作成する実験報告書は以下の書式を採る場合が多い。

1.適用
2.目的
3.結論 または 結果概要
4.実験概要
4.1 実験期間もしくは実験日
4.2 実験場所
4.3 実験担当者
4.4 供試体
4.5 実験方法
4.6 計測方法
4.7 実験条件
5.実験結果
6.考察または評価またはデータ詳細解析
7.まとめ

『1.適用』であるが、これは必ずしも必要とはしない。しかし、多くの企業では、実験はあるプロジェクト等の予算が割り当てられて実施される場合が多い。『適用』とは『どの予算枠』のために実施したかを明記することで、実験結果の反映先を敢えて限定する。このことにより、実験結果が安易に一般的に取り扱われることを避けることができる。

『2.目的』は実験を行った目的を明記する。 報告書で最も重要な部分である。 5W1HのWHYに相当する。 なお、一つの実験に対しては、できれば一つの目的とすることが望ましい。 複数の目的が有る場合は、それらを
 (1)目的1
 (2)目的2
 …..
と、箇条書きで列挙し、曖昧にしないことが必要である。

『3.結論 または 結果概要』は実験結果の目的に対する答えを簡潔に記す。 学術論文では『結論』は論述のあと最後に来るが、技術報告書としての実験報告書では、目的のすぐ後に結論を置く。理由は、報告書を読む人の時間を短縮ためである。『報告』とは誰かに(多くの場合上位の人)結果を伝える行為であり、報告書を読む人は忙しい。よって、読む人が『目的』が達成されたのかどうかを速やかに把握できるように、『目的』のすぐ後ろに『結論または結果概要』を置くのである。
なお、『結論』とする場合は、その実験が『何かを決めるために行った場合』である。 それ以外は『結果概要』となる。また、結論または結果概要とも、目的と一対一で対応していなければならない。目的が一つならば、結果は一つである。複数あったとしても、目的の数をこえることは無い。

『4.実験概要』とは5W1HのWHEN, WHERE, WHO, WHATおよびHOWを記載する。 WHEN, WHERE, WHOを記載するのは形式上であるが、報告書を読む人には、これがあると読み易い。 特に実験担当者を記載することは、実験技術・技能が実験担当者によりばらつきがある場合、重要な記載項目である。 『供試体』はWHATである。 『実験方法』と『計測方法』はHOWに相当し、実験技術の妥当性を明示する重要な記載項目である。計測方法には使用した実験機材も記載する。実験条件に実験パラメータを記載する。出来れば表で簡潔にまとめるのが良い。

『5.実験結果』では4.5項と4.6項により取得したデータをできるだけ加工せずに記載する。加工したデータを記載すると、読む人が混乱する。 

『6.考察または評価またはデータ詳細解析』は必ずしも必要は無い。5.で示したデータだけでは、結果の評価が難しい場合、または、実験結果から新たな知見が得られた場合など、実験結果を読む人に説明する必要がある場合のみ記載する。本来は、無い方が望ましい。加工したデータを記載するときは、考察として、記載する。

『7.まとめ』は実験結果から得られた成果を記載する。基本的には実験目的を達成したかどうかを記載する。また、追加の実験もしくはデータ解析が必要ならば、そのことも『今後の課題』として記載する。『まとめ』で記載したことを更に簡潔に整理して、『2.結論または結果概要』に記載する。『まとめ』と『結果または結果概要』の記載内容は、基本的に同じものとなる。

報告書作成順序。

『1.適用』→『2.目的』→『4.実験概要』→『5.実験結果』→『6.考察または評価またはデータ詳細解析』→『7.まとめ』→『2.結論 または 結果概』の順番で書いて行く。 『2.結論 または 結果概要』を最後に書くのがコツである。

なお、一般的な報告書の場合は、
1.目的 (WHY)
2.結論 または 結果概要
3.手法概要
4.1 日時(WHEN)
4.2 場所(WHERE)
4.3 担当者(WHO)
4.4 対象(WHAT)
4.5 方法(HOW)
5.結果
6.考察
7.まとめ

となる。 この場合も、2.結論 または 結果概要を最後に書くのが報告書作成時間を短縮するコツである。 いずれにせよ、報告書を書くときには『目的』が明確になっていることが最も重要である。『目的』さえ明確であれば、あとは単なる作業となる。逆に『目的』が不明確だと、報告書の形をなさず、読む人は『何言いたいんだ?!』となる。

以上、あくまで私見である。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA