Facebookナビに以下の記事が投稿されていました。
一言で要約すると、錆びに留意しなさいという内容です。
しかも、鋼製とステンレス製の包丁の両方とも、錆びにと、してあるから、それは違うのではないかと思いました。
自分のタイムラインに、少し長文記事を書いたので、こちらにも転載します。
以下、転載。
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経験論に対して、いちゃもんを付けたくなるのは、エンジニアの悪癖です。
このシェアした記事において、重要な観点が欠けていると考えます。
包丁の切れ味を悪くするのは、錆び(腐食)だけか?と、いうことです。
鋼製(専門的には炭素鋼)の包丁であれば、恐らく、切れ味に最も影響するのは、腐食です。それを防止するためには、日々砥石を使って研ぐしかないでしょう。
一方、ステンレス製包丁の切れ味を悪くするのは腐食か?です。
ステンレス鋼は、一般の鋼よりもクロム(Cr)が多く含まれていて、そのクロムが、表面に析出し、硬い酸化クロムの膜を作り、内部の腐食を防止します。よって、ステンレス鋼を炭素鋼と同様に研ぐと、酸化クロムの膜を削いでしまい、膜に保護されていない内部が剥き出しになるので、より腐食し易くなります。
特に、日常品に使われるSUS303やSUS304は、腐食し易いステンレスであり、口の悪い人から、あれはステンレスではない、錆びるから!と、言われほどです。
では、ステンレス製包丁の切れ味が何故悪くなるのか?と、考えると、恐らくは、刃の部分に付着した微小な切れ残しであろうと推察します。
包丁やナイフは、切断しようとする対象にせん断破壊を容易に発生できるようにしたものと考えられます。食材を切るのであれば、細胞と細胞が繋がっている狭い隙間にくさびを入れて行くイメージです。
そのため、ステンレス製包丁にゴミが付着すると、くさびが細胞の大きさよりも大きくなり、細胞を潰す(力学的には圧縮する)ことになるであろうと思います。
炭素鋼にせよステンレス鋼にせよ水にも油にも濡れます。濡れるとは、表面張力が小さいということです。
何かを切った後の包丁は、水や油に微小な切れカスが混じっているはずなので、それ付着して行き、ステンレス製包丁の切れ味を悪くするのではないかと推察します(口の歯に付着する歯石や歯垢と呼ばれるものと似たイメージです)。
これを防止するためには、ステンレス製包丁用の砥石(ステンレスの表面は傷つけないが、ゴミは削ぎ落とす硬さ)で、磨くことです。
欧州製のマトモなステンレス製包丁には、専用に磨く道具が用意されています。
以上、かなり、推論だけで書きましたが、それほど、間違いではないであろうと思います。
今朝(今夜?)は、眠れなくて、イライラしていて、こんな記事を書いてしまいました。
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