※2016/5/20 図表を修正しました。
※2016/5/19 加筆しました。緯線と経線の定義を逆にしていました。図や式中の定義は変えていませんが、文章中の定義は、修正しました。ご了解下さい。
以下,メモ書きである。
気象庁の地震データベースの震源は,緯度・経度・深さとして表示される。例えば,2016年4月16日の熊本大地震は以下のように気象庁地震データベースが抽出される。
地震発生時刻 | 発生場所 | 北緯 | 東経 | 深さ | マグニチュード | 最大震度 |
2016/4/16 1:25 | 熊本県熊本地方 | 32°45.2′N | 130°45.7′E | 12km | M7.3 | 7 |
これは,座標を表すためには,正確な方法であるが,地表面に暮らす私からすれば,どうもわかりにくい。地表面に暮らしていると,長さ表示の方が理解しやすいのである。
さて,緯度・経度により表された位置を長さに変換するかということを考えたら,刺して難しい問題ではないので,メモ書きしておく。
なお,緯度・経度の説明は不要であろうと思うが,念のため,図1が必要かもしれない。図1は地球の模式図である。南北に引かれた線が経線,東西の線が経線である。


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ただし,ここでは,地球は真球として扱う。地球は真球ではないので,厳密な計算ではない。つまり,地理や地図では無意味である。
長々前書きを書いても仕方ないので,本題に移る。緯線長さの求め方は以下のとおりである。図2において,下の円は北極と南極を通るようにした地球断面の模式図である。記号Rとθはそれぞれ,地球の半径と緯度を表す。πは円周率(3.14.592….)である。一方,上の円は,緯度θにおける経線の断面の模式図である(図2のpdf版:緯線長さの求め方.pdf)。
図2において赤い少し太い矢印が緯線長さを求めるために必要な半径である。

緯線の長さは,緯度によって変わる。それは,以下の式より得られる。
[緯線長さ]=2πRcosθ
ここで地球の半径Rを知らなければならない。Googleによって検索すると以下の結果が返ってくる。

よって,緯線長さを求めるための緯度θにおける半径,緯線長さ,経度1°あたりの長さは図4〜図6のようになる(図4〜図6の元データ:緯度ごとの緯線の求め方.xlsx)。



熊本地震の震源において,緯度・経度により震源をプロットすると,図7のようになる。

これを,2016年4月16日の大地震の震源を原点として長さに置き換えると図8のようになる。図8において,横軸は西から東に向かってプラス方向,縦軸は南から北に向かってプラス方向である。

本記事は,高校において習うはずの「三角関数」の簡単な利用である。この記事中の計算を行うためには,関数電卓(またはエクセルなど)が必要である。関数電卓を持っていない人は少なくないと思うが,iPhoneを持っていれば,デフォルト計算器を横にすれば,関数電卓になるので,それを利用を考えていただきたい。

